メロンの栽培過程

①種まき

2月中旬、播種箱にメロンのタネを粒ずつ撒いて行きます。まだ外は寒いので、育苗ハウスの苗床の土の中に、電熱線を通し加温し、種の発芽を助けてあげます。

なお、メロンの種は非常に高価で、品種により異なりますが、1粒50円前後します。今年は、アムスメロン6200本、クインシーメロン200本分の種を播きました。

播種後5日間位すると、メロンのタネが発芽してきます。


移植

メロンの苗が少し大きく成って来たら、播種箱の中では狭いので、少し大きめのポットに移植します。


③定植

メロンの苗がある程度大きく成ったら、3月10日頃からビニールハウスに植え替えを始めます。

ビニールハウスには、地温の確保と雑草防止のため、緑色のマルチを全面に敷き詰め、その上にメロンの苗を植え付けます。

まだこの時期外は寒く、霜も降りるので、防寒のためにメロン苗の上に2重にトンネル掛けをして、メロンを寒さから守ってあげます。


④整枝

メロンは大きく成ると、葉の付け根から脇芽が出て来ます。脇芽をそのままにしておくと、葉の成長に養分が取られ、肝心のメロンが大きく成長しなくなります。

そこで、メロンの木が大きく成るに連れて、余分な側枝を取り除く整枝作業を何回かに分けて行います。メロンを実らせる枝は13節以降のため、12節までの側枝は全て取り除きます。

【整枝前】

【整枝後】


⑤吊り上げ

当農園ではメロンの立体栽培を行っています。立体栽培は紐でメロンを吊り上げ、メロンのツルを上に伸ばて行きます。この作業は遅霜の心配が無くなる4月中旬から行います。


⑥ミツバチ交配

メロンの実を付ける13節以降の雌花が咲き始める頃に、受粉のためミツバチの巣箱を入れます。

メロンの花には雌花と雄花があり、雄花の花粉を雌花に受粉させる必要があります。人の手で受粉させることも出来ますが、非常に手間が掛かります。

そこで、交配はミツバチにお願いします。ミツバチがビニールハウスの中を蜜を求めて飛び回ることで、より自然に近い状態で交配が行われます。

なお、天気が良くないとミツバチが活発に飛び回らないので、交配の時期の天気がメロンの着果に重要になります。

 

⑦摘果

交配が終了し、数日するとメロンが大きく成ってきます。ミツバチ交配の場合、ミツバチが次々に受粉し、メロンが何個も実ってしまいます。大きくて甘いメロンを収穫するため、1本の木に実らせるメロンは2個だけです。そこで、メロンが鶏卵位の大きさになった頃、大きくて形の良いメロンを2個だけ残し、その他の実は摘果してしまいます。

なお、摘果した若いメロンは、瓜と同様に漬物にして食べることが出来ます。

【摘果前】

 

【摘果後】


⑧玉吊り

メロンの立体栽培では、メロンの重さに枝が耐え切れず、メロンが落下してしまうことがあります。また、メロンが茎に触れると傷がつき、ネットがきれいに出ない恐れもあるため、メロンを紐で吊り下げてあげます。

 

⑨収穫

交配から55日前後で収穫になります。【アムスメロン】

 

【ルピアレッド】